おちちやの道のりを振り返って

とても言葉には表せないのだけど、伝えたくて。
もう感動で心が震えてる。
しあわせの涙が止まらないの。
大袈裟に思われるかもしれないけど、自分の生きてきた道を、52年の人生を振り返ってます。

直感に導かれてきた人生だったな。
本当に本当にいろいろなことがあったけど、どんなときも心の声が道を教えてくれた。

あまりにも合わなくて、学校にも行けなかった。
親にも先生にも友だちにも誰にも理解されない孤独の中、自分らしく自分の生き方をしようと決めた16才のあの日から、迷いながら悩みながら歩いてきた。
インターネットも何も無い時代に、本の虫だったわたしに世界の扉を開いてくれたのはいつも本だった。
16才のころだったと思う、ベジタリアンという概念を初めて知ったのが、わたしと食との出会いだった。
今思えば奇跡のような出会いに恵まれ、30年以上も前にわたしは有機農業、玄米食、自然食、天然酵母パンなど当時まだ草分け的な時代の最前線の人たちに関わることができた。
とても自然に、食を中心にした人生がスタートしたのだと思う。

母になったときに、愛情を込めた手作りの、安全なものを子どもに食べさせたいと思った。
食物アレルギーだった次男に母乳をあげながら、子どもにもわたしにも安心でおいしいおやつが欲しいと思った。
家庭の台所以外立ったことの無い子育て中の専業主婦だったわたしが、子どもたちと自分のために作っていたおやつを誰かに楽しんでもらえたらうれしいな、好きなことを形にできたらいいな、と思ったのがおちちやの始まり。
お母さんのおちちのようにやさしくてあたたかい、いのちをはぐくむおやつをという想いで名前を付けた。

お勤めの経験すら無かったわたしは、本当に本当に何も知らないままのスタート。
今は本当に大きく世界の意識が変わったのだけれど、23年前の田舎では、自然素材のお菓子と言っても全然伝わらなくて。
それでもアレルギーのためのお菓子を求めている方が探し当ててくれ、全国から注文があった。
そのくらい当時はまだ珍しかった。

経営は苦労の連続。
材料にこだわり、手間のかかる作業。
寝る間も惜しんで働きながら、売れても材料費で飛んでしまう。
一緒にいる時間をなかなか作ってあげられない上に、欲しいものも買ってあげられない子どもたちを想い何度涙したか。

3年前、それまで使ってきた小麦をやめてお米を主原料に替えるという決断。
それからは研究試作の日々。
お弁当が出来上がるまで約半年、お菓子の完成までは1年以上かかって。
収入が無い状態で、新しいことを始めるための設備や材料に出費がかさんで。
先の見えない中自分の気持ちに寄り添い励ましながら、手探りで進んできた。

波瀾万丈、いろんなことがあったけれど、一度もやめたいとは思わなかった。
それでもお菓子を作ることが大好きだったし、おちちやを子どもたちのように大切にはぐくんできた。
たくさんの温かい、しあわせな出会い、喜びの分かち合い。
神様が与えてくれた仕事だと思って、愛と情熱を注いできた。

昨年、歌を歌ってみたいという気持ちからいすみのゴスペルチームに参加することになり、出会ったのが石田啓子先生。
実は発酵のスペシャリストでもあり、全国に教室と多くの生徒さんを持ち、海外からもオファーを受けているという方。
啓子先生との出会いが、おちちやの最後のピースを埋めてくれた。
甘酒、米あめ、塩糀など、おちちやはずっと発酵を取り入れてきた。
でもさらに、発酵に開眼👀
先生に教えていただく発酵食品は簡単で斬新でとてもおいしくて、目から鱗の連続。
発酵という要素を主軸にすることで、おちちやの世界観が完全に完成したと感じた。
新しい世界の扉が開いた。

きっと、何か大きな大きなご縁があったんだと思う。
わたしから見たら雲の上と思うくらいの人だけれど、先生にとってもわたしとの出会いに意味があったみたい。
2人とも食への情熱があふれて、話し出したら止まらない。
おちちやを始めて23年目にして、こんなにも理解し合える人、共感できる人に初めて出会えた。
そして発酵を世界に広めるために、一緒に何かやろうということに。

食べることは生きること。
わたしが食に触れ食に向き合い生きてきたこと。
その中でたくさんの方との出会い、つながり、分かち合いがあり、愛と情熱と夢と希望が生まれ、育ち、今日という日を迎えています。
やっとやっと、自分の歩いて来た道のすべてが無駄では無かった、すべてが今ここに続いていたと心から思えるの。
それで、喜びの涙が止まらない。
感謝があふれて止まらないんです。
わたしに、出会ってくれたすべての人に、世界に。
だから、この想いを込めてこれからわたしは料理を、お菓子を作っていこうと思うんです。
おちちやの愛を、夢を、世界中に届けるという気持ちで。
そんなおちちやを、これからもどうぞよろしくお願いします♡

めちゃめちゃ懐かしいな。
写真は20年も前、子どもたちがまだ小さかったころ、イベント出店のとき。
この思い出も、本当に宝物♡

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