親友のこと

わたしと、友人はわいのお話をしますね(*^^*)

彼女とわたしの出会いは、5才のとき。
引っ越しにより新しい保育園に入園したわたしと、その園に通っていたはわい。
そのころどんな関係だったのか、一緒に遊んだりしたのか、ほとんど記憶は無い。
たったひとつ覚えているのは、お遊戯会で白雪姫の劇をやることになり、じゃんけんで負けたわたしとはわいが意地悪な継母の役をやることになったこと。
はわいが「鏡よ鏡…」のお妃、わたしがりんご売りのおばあさんを演じた。

小学校時代は接点のなかったわたしたちは、中1で同じクラスになり再会した。
30年以上も前の、片田舎の中学校。
そこは窮屈で退屈で、とても狭い世界だった。
はわいはちょっと変わった女の子だったので、学年の中でも割と目立っていた。
個性的で芯があって感性が豊かで、他の子たちとは全然違っていた。
そしてわたしと、なぜかとっても仲が良くなった。
思春期ゆえの傷つけ合うようなけんかもあったけれど、お互いの存在を特別だと感じていたのだと思う。

中学卒業後は、全く違う道を進む。
はわいは女子校から有名大学へ行き、有名企業に就職。
その後アメリカに渡り、向こうで結婚。
わたしは高校が合わず中退、有機農業や自然食に興味を持ち、旅に出た沖縄の小さな島で結婚、出産し子育て。
そしておちちやを開業する。
それぞれの道を歩みながらごくたまに連絡を取り合う、そんな年月が続いた。

再び交流が深まったのは、数年前。
アメリカから帰国中の彼女が、わたしに会いたいといすみまで遊びに来てくれた。
小さいころのはわいにそっくりな、可愛い娘さんを連れて。
砂浜に座って、わたしたちはたくさんたくさんの話をした。
離れていた時間を取り戻すかのように、いろんなことを。

この夏、3年ぶりに予定していた実家への帰省を見送ることになった。
ちょうど帰国中のはわいとも、少しだけでも会えるかもしれないね、と楽しみにしていた。
会えなくなった代わりに、久しぶりの長電話。
数年前からはわいはレザークラフトを始め、自分のブランドを立ち上げた。
もともとものづくりが好きだった彼女は、ついに自分の探し求めていた仕事に出会えたのだそう。
わたしたちに共通していることはたくさんある。
自分を生きる、ということを探求してきたこと。
自分の仕事は、魂の表現だと思っていること。
何時間も話は尽きなくて。
何も作らず飾らずわたしのままでいて、こんなにも通い合える存在がいたとは。
そして、それは長い間わたしが心の底から求めていたものだったことに気がついた。

彼女が言った。
「だってわたしたち、同一人物を演じたじゃない?」
衝撃の事実。
彼女がお妃でわたしが魔女。
そのことを覚えてはいたけれど、同一人物という視点はなかった。
何ということだろう。
彼女との関係は運命だと思っていたけれど、そんな象徴的な出来事ってあるだろうか。
しかも、人生が始まったばかりのころに。

電話の後、贈り物が届いた。
彼女手作りの、革のカードケース。
ここにどんな想いが込められているかがわかるからこそ、とても尊いものだと思う。
わたしからは、いすみの旬の恵みと愛情をたっぷりと詰めた玄米ごはんのパイを。
きっと言葉以上に、伝わるものがあるはずだから。

わたしたちの愛と友情は、これからもずっと続くだろう。
お互いを勇気づけ合い背中を押し合って、それぞれの道をゆくだろう。
幼いころからのあだ名で、はわい、すっちと呼び合いながら。

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