旅立ちの春

数日後に大学の卒業式、その後就職先へ転居する長男が久しぶりの帰宅。
大学で憧れの山岳部に入り、すっかり逞しく成長した23才。

人一倍泣き虫で甘えん坊だった幼少期。
学校に行きたくないと校門の前で大泣きし、先生たちになだめられ教室へ連れて行かれた一年生。
ナイフで枝を削って作った魔法の杖を持ちマントに身を包み、ファンタジーの世界に夢中になった小学生のころ。
サッカー一色だった中学高校時代はちょっぴり思春期、「いってらっしゃい」にも返事が無かったり。

高校卒業と同時に家を出て、浪人期と大学生活を離れて送った5年間。
アルバイトに部活に忙しく、家に帰って来ることも数えるほどで。

そんな君と濃密に過ごした数日間。
好きなものを盛りだくさんに用意したメニュー。
大好きなフルーツも山盛りに買い込んで。
免許証取り立てほやほやの君の運転で、あちこちへドライブ。
趣味のこと、学校のこと、友人のこと、山岳部のこと、新生活のこと。
止めどなくおしゃべりしながらこんなふうに一緒の時間を持てる日が来るなんて、夢にも思わなかったな。

たぶんこのひとときは、わたしにとってかけがえのない宝物になるのは間違いない。

大好きな日本アルプスを望む長野県に就職が決まり、自身の人生の大きな一歩を踏み出そうとしている君。
その可能性と未来は眩ゆいばかりで、きっと山頂から見渡す景色のようにはるか遠くまで広がっているのだろう。
その目を通してどんな世界を見せてもらえるのか、本当に楽しみにしているよ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください