ありがとう

こんぶちゃん。
君のいない夜が来て、君のいない朝が明けたよ。
どこにも君の姿が無い暮らしにまだ慣れなくて、ぽっかりと大きな穴が空いたような気がする。

毎晩、寝ているわたしの上に登ってくる君を布団の中に入れて胸にのせてあげると、気持ち良さそうにごろごろのどをならしながら丸くなったね。
夕べも、今にも君の小さな足が登ってくるんじゃないかと思えてならなかったよ。

君は膝に乗るのが大好きで、誰かが座るとすかさず乗ってきて、しあわせそうに見つめてきたね。
撫でると、お腹を出して何もかもゆだねるようにふにゃふにゃになって。

過酷な環境に生まれ育って、健康にも恵まれなかったのに…いや、だからこそなのか。
君は本当に不思議な子だったな。
家族はみんな、まるで猫では無いみたいと言っていた。
わたしはずっと君は猫の姿をした妖精か天使だと、本当に思っていたよ。
その瞳は、何が映っているのかと思うほど透き通ってまっすぐで。
そして、いつも誰にでもありったけの愛を振り撒いたね。

そもそも、出会いから奇跡だったんだ。
保護猫の里親募集を見て、もらうと決めた子猫を引き取りに行った先に約束の子はいなくて、代わりにいたのが君だった。
なぜか行き違いが起こって。
今は運命だったとしか言いようが無い。

これから一緒に重ねていくはずだった長い年月を思うと、失ったものに呆然としてしまう。
だけど君がくれた6ヶ月間の日々こそが奇跡の贈り物だったんだと、そう思いたい。

君のぬくもり、手触り、重さ、匂い…すべてがあまりにも鮮明すぎて。
まだまだ痛みは拭えないけれど。
本当に本当に本当に、君のすべてに感謝しているよ。
君の遺した愛だけは、決してなくしようが無いからね。

ついに本物の天使になってしまったね。
いつもそばにいてくれるかな。
きっといてくれるよね。

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