探究

今日はちょっと恥ずかしいけど、失敗談も含めわたしの本音のお話をさせて下さいね(*^^*)

昨日は天然酵母パンセットの日でした。
暑い暑い真夏の間お休みしていたパン焼きの、久しぶりの再開をわたしも楽しみにしていました。
ところが数種類起こしたうちのひとつ、一番多く使う酵母の発酵具合があまり思わしく無く。
生地をこねて一次発酵のときはまだなんとかだったけれど、成形後の二次発酵で明らかに状態が良くない。
焼き上げてみて、いくつかは絶望的。
すでにご注文も受けていてしかもセット販売、酵母の仕込みから一週間かかるパンなので作り直しもできない。
本当に困りました。
でも他にどうしようもないので、お客さまに事情を説明してキャンセルか、無事焼けたものだけ格安でお受け取りかをお選びいただきました。
みなさん温かくご対応下さり、心から感謝の気持ちです。
大変申し訳ありませんでした。

先週体調を崩したことと昨日のパンの失敗も合わせて、今もう一度おちちやの仕事への向き合い方を問い直すときだと感じました。
わたしのパン作り、お菓子作りはとても時間がかかります。
たいていは時間に追われてしまうことが多く、もっと余裕を持って丁寧な作業ができればとずっと思ってきました。
それに大事なところでの準備不足を感じることも度々で、仕事を支える土台を日頃から大切にする必要があるとも思っていました。
目の前の仕事をこなすだけで精一杯になりがちなやり方を、さすがにそろそろ変えないといけない。
本当にいいものを作れたときやいい仕事ができたと思うとき、それは大きな喜びです。
それはきっとお客さまにも、何か伝わるものがあると思うのです。
そういう仕事をするのに必要なのはやっぱり時間のゆとりを持つこと、体調を整えること、休息をきちんと取ること、事前に入念な準備をすること。
そして何より大事にしたいのが、心の声。
今日は疲れたからもう休みたいなぁとか、この日にこの仕事を入れてしまうときついなぁとか、そういう声って聞こえていてもやらなければいけないことや決まったスケジュールを優先してしまいがち。
で、結局かなり時間に追われたり体に無理をすることを重ねてしまい、後でどこかで体調を崩したり仕事で失敗したりして、採算することになったり。
もっと自分の心の羅針盤を大切にすることで、よりシンプルに仕事に向かえるはず。
思い切って新しい気持ちで、おちちやとの関わり方をもう一度探していこうと思います。
そして、最大限におちちやが輝けるようにしてあげたいと思っています。

おちちやでやってみたいこと、形にしたいこと、チャレンジしたいことは山ほどあります。
それと同時に今までやってきたこと、作ってきたものも一から見直し改良できるものはしたいと思います。
きっとわたしみたいに要領が悪くて時間のかかる人がいろんなことに手を出すから、こんなことになるんでしょうね。
天然酵母パン、玄米ごはんのパイ、ナチュラルスイーツ。
グルテンフリーのお菓子が欲しいという声をいただいて、そちらも研究していきたいと思っています。
パン屋さんのお友だちに言われたことがあります。
「パンもお菓子もやってるからよ」って。
そうですよね、パンもお菓子もそれぞれにとても奥深く職人さんが追求し続けていく世界。
わかるけど、それでもやっぱりおちちやはおちちやです。
おかあさんのおちちが原点の、おかあさんの作るおやつが原点のおちちやがあるんです。
どこまでも。

この夏ニュースでもずいぶん取り上げられた、棋士の藤井聡太二冠。
彼の将棋への熱い情熱、真摯さや謙虚さに惹かれました。
快挙や記録に騒ぐ周りと対象的に、静かにまっすぐにただ強くなりたいと望むその姿に胸を打たれます。

将棋とパン、お菓子…全く分野は違いますがその姿勢や言動にはとても共感するところ魅了されるところが多く、密かに大きな勇気をもらっています。
「盤上の物語の価値は不変」
わたしなら何かな…「ボウルの中の物語」「調理台の上の物語」…。
藤井くんが初戴冠のときの記者会見で披露した色紙の文字は「探究」。
その言葉がわたしの想いとひとつになって、今はおちちやのひとつの指針となりました。
これからもずっと、おちちやの探究を深めていきたいと思っています♡

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